愛車のコンディションをより詳しく正確に把握するため、チューニングカーには装着必須と言えるのが追加メーター。そんな機能パーツでありながら、同時に走りの気分を高めてくれるインテリアアイテムとしての側面も持つ。ただ、各メーカーから様々なタイプがリリースされているわけで、基本が分かっていないと選びようがない。そこで、まずは追加メーターの仕組みや種類から解説していこう。

機械式と電子(電気)式

機械式は温度や圧力などで直接メーターの針を動かすタイプ。メーターに内蔵されるプルドン管からリンクとレバーを介し、最後はギヤで針を駆動する。一方、電子(電気)式はセンサーで計測した温度や圧力を電気信号に変換。それを受けたステッピングモーターがメーターの針を動かす。主流は配線だけで装着できる電子(電気)式だ。

電気式とは異なり、機械式は柔軟性に乏しい配管を室内まで通さなければならないから装着難易度は必然的に高くなる。また、油圧計に関してはメーター本体までエンジンオイルが引き込まれるため、抜かりない漏れ対策も必要。

一方の電気式は、温度や圧力の信号をコントロールユニットに入れ、そこからメーターに配線。あとはメーター同士を繋ぐことで各種情報の表示が可能になる。ピークホールド機能やワーニング機能、リプレイ機能も搭載だ。

アナログ表示とデジタル表示

パネルに記された目盛りを針で指し、その数値を読み取るのがアナログ式。知りたい情報を感覚的に掴みやすいのが特徴と言える。

一方のデジタル式は同じスペースでも表示項目を増やすことができ、瞬間的な温度や圧力を確認できるのが大きなメリットだ。

トラストが扱うシリウスユニファイは、アナログ式シリウスメーターとデジタル式シリウスヴィジョンの融合モデル。水温、油温、油圧、ブースト圧などを連携表示する他、メーターとヴィジョンで別項目を表示することもできる。

OBDⅡ接続モニター

OBDⅡとは2009年以降の生産車に装着が義務付けられた統一規格の車両診断コネクター。車両の各センサーの情報が集約され、ECUとも繋がる。それを活用し、追加メーターとして機能させるのがOBDⅡ接続モニターだ。カプラーオンの手軽さで多くの情報を表示できるため、装着率が高まりつつある。

ブリッツのタッチブレイン・プラス。4.3インチの液晶タッチパネルモニターを採用し、各種情報のアナログ/デジタル表示が可能。また、GセンサーやGPSを内蔵し、ロガーとして使える他、無線LANでiPhoneとの接続もできるなど、高い機能性や拡張性も兼ね備える。

オールインワンメーター

モニターに複数の情報を一括表示できるオールインワンメーター。マルチモニターとも呼ばれるこのタイプは装着スペースを最小限に抑えながら、走行シチュエーションなどに合わせて必要な情報を任意に選択し、見やすく表示できるのが大きな特徴。デザイン性が高い製品も多く、年式が新しめのクルマとマッチングがいい。

デフィDSDFシリーズのDF15903。優れた基本性能を維持したまま、タッチスイッチ機能を廃止したことで低価格化を実現したモデルになる。同社アドバンスシステムの他、OBDⅡコネクター接続での使用も可能だ。

ダッシュロガー

オールインワンメーターの発展型とも言えるのがダッシュロガー。車両情報を表示するだけに留まらず、各種データを記録、保存する機能にも重きが置かれている。収集したデータはパソコン上で確認でき、走行時の車両の状況を細かく解析できるのが大きな強みと言える。

画像はレースパック社のIQ3ロガーモニター。タイムアタックユーザーが使い始め、日本でダッシュロガーに対する注目度が高まるきっかけとなったモデルだ。

GPSメーター

GPS信号を元に位置情報を取り込み、高い精度で速度や加速度などを計測、表示する。車両側にはGPSアンテナを設置するだけという手軽さが売り。ただし、トンネル内などGPS波を受信できない場所ではメーターとして機能しなくなるのが、最大にして唯一とも言えるデメリット。

画像はアメリカ・オートメーター社のGPSスピードメーター。速度をアナログで表示する他、デジタル表示部にはオド&トリップメーター、時計、コンパスなどの機能も持たされている。