今回で92回目を数える伝統と歴史の一戦、ル・マン24時間レースが6月15-16日に開催される。オートスポーツ7月号は、”今世紀最多”の最高峰クラス、眠らない、眠れない歴史的戦いの見どころを徹底解説します。

目論みどおりのハイパーカーバトル

FIA/ACOとIMSAの目論みどおり、WECでの、そしてIMSAでのLMHとLMDhの相互乗り入れが可能となったことにより、今年のル・マンの最高峰クラスには今世紀最多となる9マニュファクチャラーがエントリーを行なっている。似て非なるカテゴリーのマシンの混走を、複雑な車両レギュレーションをもって成立させているハイパーカークラスだが、その裏側にはどのような戦略があったのか。主催者側の野望と思惑、そして導き出された回答に迫った。

一筋縄ではいかない性能均衡化の真実

参加車両の性能差を調整することで激しい戦いを創出しているWECだが、ハイパーカーは内燃機関と電動モーターを組み合わせた混合動力で走行している。さらに燃料の多様化も踏まえると、競争する中で消費する「エネルギー量」を瞬間的にも、また走行全体の「総量」でも縛ることが必然の流れとなる。中継映像に映る「バーチャルエネルギータンク」の残量表示の精度の高さにも驚かされるが、性能均衡化を目的とする、その“手法”とはどのようなものなのか。

“勝つため”のテクニカルポイント

開幕戦をLMDhのポルシェ963が制し、第2戦はLMHのトヨタGR010が勝利。そして第3戦はプライベーターのポルシェが金星をあげるなど、開幕3戦の戦況を見るとポルシェ勢が好調だが、その理由をメカニカル面から伺い知ることは可能だろうか? そこで、9台のハイパーカーの技術的特徴を写真とともに紹介。3月にデビューしたランボルギーニSC63は市販車のデザインイメージを随所に入れ込みつつ、最後発の利点を活かした開発が行なわれていた。

「ポルシェが有利」なその理由

「夢を見られるのはポルシェだけ」。ル・マン24時間レースのプレビュー企画としてはセンセーショナルなタイトルがついた記事となったが、スポーツカーレースを長らく取材するジャーナリストの目には、今季のポルシェの勢いはそれほど強いものとして見えているようだ。とはいえ、トヨタ、昨年の覇者フェラーリ、そしてキャデラックも“候補”であることは認めている。それぞれが大なり小なり持つ強みと弱点を含め、2024年の勝者を推測する。

【PCCJ】最高峰ワンメイクレースの注目ポイント

F1日本GPのサポートレースとして開幕したポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)。プロクラス、プロアマクラス、アマクラスの3つのクラス分けはこれまで同様に実績にて決められることもあり、すでに実施された富士スピードウェイでの第2ラウンド(第2戦、第3戦)でも各クラス接近戦が繰り広げられる。上位争いはどのように争われ、今後どのように推移していくのか。今シーズンの注目ポイントを探ってみた。

auto sport 2024年7月号 No.1597

発売日:2024年5月29日
税込定価:1200円

3
autosport view

7
SUPER GT Round2 FUJI GT 3HOURS RACE
GT500 │ #3 Niterra MOTUL Z 遠回りの富士制圧。

12
GT300 │ #88 JLOC Lamborghini GT3 目覚めた闘牛

14
「フォーメーションラップ」 Produced by auto sport

19
[ 特集 ] 24 HOURS OF LE MANS 昼夜スプリント。
2024 ル・マン24時間

20
[ ハイパーカーの系譜 ] 結実する“頂点”へのストーリー

24
解説「バーチャルエネルギータンク」の秘密

26
HYPERCAR Technical Watch LMH
Toyota GR010 HYBRID トヨタGR010ハイブリッド

30
Peugeot 9X8 プジョー9X8

34
Ferrari 499P フェラーリ499P

38
Isotta Fraschini Tipo6-C イソッタ・フラスキーニ ティーポ 6-C

40
HYPERCAR Technical LMDh
Porsche 963 ポルシェ963

44
Cadillac V-Series.R キャデラック Vシリーズ.R

46
BMW M Hybrid V8 BMW M ハイブリッドV8

50
Alpine A424 アルピーヌA424

54
Lamborghini SC63 ランボルギーニSC63

58
Interview Andre Lotterer
整いつつあるル・マンウイナーへの“資格要件”

62
Race Preview_HYPERCAR 夢を見られるのはポルシェだけ

64
Race Preview_LMGT3 P's Rendezvous to be Replayed

66
Technical Watch LMGT3
#01 Ford Mustang LMGT3

68
#02 Ferrari 296 LMGT3

70
#03 Corvette Z06 LMGT3.R

71
#04 McLaren 720S LMGT3 EVO

72
#05 Lamborghini HURACAN LMGT3 EVO2

73
#06 Aston Martin Vantage AMR LMGT3

74
#07 Lexus RC F LMGT3 / #08 BMW M4 LMGT3
#09 Porsche 911 GT3 R LMGT3/WEC参戦の9台から見たGT3の傾向

76
[ 第2世代 FIA-F4 ]
MCS4-24/TMA43
奇跡の“国産180馬力F1”

82
TOYO TIRES
ニュルブルクリンク耐久シリーズに木下隆之とフル参戦

84
PCCJ ── 接近した戦いが毎戦繰り広げられるPCCJ

86
Formula Beat
2024 F-Be CHAMPIONSHIP PADDOCK NEWS Vol.1

88
モーターファンフェスタ2024 in 富士スピードウェイ

91
スーパー耐久ポスト

94
松田次生のF1オンボード解説

96
Formula One Leading-edge Technologies
量産型に染まらなかった 光当たらぬ頭上の骨格

98
Scale model study ── 不朽の名キットを味わう

99
「ぼくの大好きな競争自動車」 大串 信
帰ってきたタワー3階 by 木下隆之

100
天野雅彦のアメリカンモーターレーシング ★最新事情★
RED-HOT USA

102
熱血RQ道 ── 有栖未桜
AUTO SPORT SIGN BOARD

103
auto sport × MS-models

104
the force of NAPAC

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Hello, Motor Racing !

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Presents for Readers/次号予告