1968年の発売以降、世界中に熱狂的なコレクターを抱える最強のミニカーシリーズとして君臨し続ける“ホットウィール”。この製品の日本展開を一手に引き受ける“マテル”から、2023年9月発売の新作が一斉発表された。それぞれをチェックしていこう。

ダッジ バン(400円)

1971年に、旧来のダッジA100バンの後継機種として登場したダッジラムバン。日本には正規輸入されなかった車種ではあるが、一部のアメリカ車愛好家の間では非常に高い人気を誇り、並行輸入車は多数上陸している。その中にはアメリカ本国ではまずあり得ない、サーキットを走る層が存在しておりレースすら行われている。そんな日本独自のラム文化に着目したホットウィールのデザイナーである故リュウ・アサダ氏がデザインしたのがこちらの製品だ。

ランボルギーニ シアン FKP 37(400円)

シアン FKP 37はランボルギーニ初のハイブリッドカーとしても2020年に登場。「シアン」はイタリア・ボロネーゼ地方の方言で“閃光”、「FKP」は経営不振にあえぐランボルギーニ社を買収して、独立性も維持させつつ再建した、VWアウディグループの総裁、フェルディナンド・カール・ピエヒ会長のイニシャルを、「37」は氏の生誕年である1937年をそれぞれ指している。車体はフラッグシップであるアヴェンタドールをベースにカウンタックを彷彿とさえるテールライトやルーフの意匠などを採り入れたフルカーボンカウルを被せている。実車は63台限定で、3.9億円で発売、即完売となった。

クール コンビ(400円)

今回ホットウィールがミニカー化した「KOMBI」は主に南米でフォルクスワーゲンタイプIIに用いられた呼称/車名であり、語呂の良さから、本来は「COOL」と綴るはずのスペルを「KOOL」とされている。また、単なるノーマル車両ではなく、実車でも存在する車体を半分近く切り詰めたカスタム仕様をモチーフとしているのもポイントだ。

コルベット グランスポーツ ロードスター(400円)

1963年に登場したC2コルベット。コルベットの育ての親とも言われるゾーラ・アーカス・ダントフ氏は秘密裏にこのC2コルベットを使ったレース計画をスタートさせる。その結果産み出されたのがグランスポートで、当初の計画では当時の国際GTレースカー規格のホモロゲーションを獲得するために125台が製造される予定だった。しかし、折悪く1963年にGMはモータースポーツ活動から撤退する方針を打ち出した。エンジンは820cc排気量アップされ、シャシーも大幅にアップグレード。大きく拡げられたフェンダーアーチとオーバーフェンダー内に極太のレーシングタイヤが収められている。