創立50周年を迎えたRAYSが、新作ホイール「CE28N-plus」を発表

新製品

2023/07/10

ホイールメーカーのRAYSが、2023年7月5日、富士スピードウェイで「RAYS VOLK RACING 新商品発表会」を開催した。新製品のお披露目だけでなく、試乗コンテンツも用意され、メディアにその性能を大きくアピールした。

TE37を最大のライバルとしたCE28Nがフルモデルチェンジ

高強度・高剛性が使命となるボルクレーシングブランドを支える、TE37、CE28、NE24、ZE40の４シリーズ。

“高強度”“高剛性”をコンセプトに、鍛造スポーツホイールの最高峰として君臨するボルクレーシング。今回発表されたのは、そのシリーズの中でも“軽さ”を追求した、ストリートからレースシーンまで幅広いファンに支持されているCE28Nシリーズの新作となる。その名は、CE28N-plusだ。

発表会にあたって登壇したレイズの三根茂留社長は、「CE28Nは、約20年前、ネーミングにもあるように、重量2.8kg（14×5J +44）を目指して誕生したホイールブランドです。当時は、軽量ホイール競争が激化していた時代で、軽量化を攻めながらJWL規格をギリギリ通る強度で作った記憶がある」と、デビュー当時を振り返った。

そこから20年間、クルマが飛躍的に進化を遂げたことで、ホイールに対する性能の要求も大きく変化してきたと説明。ボルクレーシングの開発コンセプトである、“時代の先端技術を駆使したモノづくり”のもと、解析技術により環境変化や市場のニーズに合わせて商品も進化させてきているという。「CE28Nは、よく“軽量化と高剛性を高次元でバランス”と表現されることが多いが、今日はそれを実際に体感してほしい」と述べた。

新製品発表会には、レイズの三根社長と約35年来の知り合いという、日産自動車のアンバサダーである田村宏志氏が来場。

「レイズ、三根社長とは、故桜井眞一郎さんがスカイラインR31 A/Jバージョンを開発された時に出会った。その時はお互いペーペーだった。レース用とは違った意味でストリート用は開発が大変。2.8kgという軽さだけではOEMは採用しません。剛性などの性能の裏付けが必要となり、弊社の厳しい基準をクリアしていただいた。鍛造ホイールブランドは他にもありますが、技術力と対応力の高さが、今日のレイズの礎になっている」と語った。

来月、北米で発表予定のフェアレディZ NISMOにもレイズのホイールが採用されるという。

TE37 SAGA比、マイナス600gの軽量化を実現

このCE28 N-plusは、従来モデルのCE28Nに対して、「らしさ」を瞬間で伝えるビジュアルのアイデンティティは継承しつつ、“さらなる軽量化”と“高剛性”を追求したのが特徴。最新の解析技術を駆使して、合計10ヵ所におよぶ設計の見直しを行い、重量は、TE37 SAGAからマイナス600gを実現する。

1999年の発売以降、CE28Nは数々の派生モデルやマイナーチェンジを重ねて進化をさせてきているが、昨今は、安全性能の強化による車両重量の増加、エンジン出力の増大、タイヤのグリップ向上など、飛躍的に車両が進化。そのためよりストッピングパワーが求められるようになり、キャリパーやローターが大型化する傾向にある。それらを見越して、これまでのリバースリム形状から、TE37 SAGAと同一のノーマルリム形状に変更しているのも、改善ポイントのひとつとなっている。

なお、剛性解析上では、CE28 N-plusはXYZ軸における変異量が減少した解析結果が出ているという。それに伴って、「ドライバーの操作に対するダイレクト感の向上、路面状況をリニアにドライバーへ伝達する精度が向上している」と企画部チーフ・渡邉将伍氏は説明する。