ルーフがボートのびっくりアトレー!

毎年ユニークなカスタマイズ車両を東京オートサロンで発表するダイハツ。今年のブースの目玉となったのが、ワンボックス軽のアトレーをベースとする「ATRAI WILD RANGER」だ。

最大の特徴は、なんといってもルーフがボートになっていること。正確にはボートを逆さまにしてルーフ上に搭載しており、取り外して実際にボートとして使用することができるのだ。「さらにもう一歩奥地まで入っていける、動く探検基地」というコンセプトのもと、山奥にひっそりたたずむ湖でボート遊びを楽しめる!というアイデアが体現されている。ボート自体は中空構造にすることで重量を抑え、約35kgにおさまっているとのこと。前方にはLEDバーライト、側面にはオールが装備されている。

外観はというと、アトレー本来のボディラインを強調するとともにタフな印象を高めるため、ボディ下半分に傷に強いチッピング塗装を実施。フェンダーとサイドモールも設けられ、車名の通りワイルドなエクステリアを実現している。また、ヘッドライトとテールライトにはプロテクターが備わり、トーヨー・オープンカントリーを履く専用ホイールも装着。車高は1インチほどアップしているそうだ。リヤにはボートの脱着作業にも使えるラダーを装備する。

インテリアはインパネやドアパネルがボディカラーと同じグリーンで統一されているほか、ステアリングとシートにも同色のカバーを装着。しかもシートカバーは、取り外すとそのままライフジャケットとして使うことができるという。

そして、ボートとともに最大の見せ場とも言えそうなのが、広い荷室を利用した車中泊スペース。リヤシートと助手席を倒した一人乗り状態とすることで、成人男性が横になってもまだまだ余裕の就寝スペースを確保。運転席側のスペースには小型のテーブルやキャンプギアも用意され、快適な居場所が実現されている。

また、ルーフサイドに設けられたスライドレールにバーが仕込まれており、前後にスライドできるハンガーバーを用意。好きな位置で物を吊るせるので便利だ。また、サイドウインドウにはパンチングボードを備え、フックでシェラカップなどを収納。ボディの左側面には換気のための電動ファンが3連で装備されている。

ちなみにボートは単なる飾りではなく、ちゃんと水の上で使えることをテスト済みなのだとか。救命救急の初期活動にも使えるはずと、レジャーだけではない使い道も想定している。そんな、さまざまな創意工夫が凝らされた「ATRAI WILD RANGER」。まさに冒険へと一緒に出かけたくなる一台だ。