最近、タイヤが車体から外れて大きな事故が発生、そんなニュースが続いたが、ハブ回りパーツの劣化や欠陥ばかりでなく、ホイールナットの緩みなど、メンテ不足が原因なんて場合も多い。ここでは地味な存在ながら、大役を果たしメンテも大切な、ホイールナット(ラグナット)とタイヤ交換の基礎知識をまとめてみた。

クルマとホイールの締結するナットにも拘りと気配りを!

ホイールが取り付けられる回転パーツをハブといい、国産車のほとんどはそこにハブボルト&ホイールナットでホイール(&タイヤ)が締結されている。固定するホイールナットには多くのタイプがありホイールを停めるには、いくつかの適合条件が満たされることが必要だ。

まずは、ハブボルトの太さ。多くがM12という径だが、最近の重量級の車両は負荷の拡大に対応したM14の太いハブボルトの車種も増えている。

また、ボルト&ナットに刻まれるネジのピッチも日産車に代表される1.25とトヨタ車などに採用される1.5だが、メーカーごとに異なるので愛車がどちらのタイプなのかは把握しておこう。

らにナットとホイールの座面の形状も複数あり。一般的なのは円錐状の60度のテーパータイプ。しかし、トヨタ車の純正(平座・ワッシャー付き)やホンダ車の純正(球面座R12)など異形状の事例もあるので、社外品ホイールに履き替える時はナットも確認、用意しておくこと。

また、社外のホイールナットは形状や材質もいろいろ。まず、純正で多く採用される短いキャップタイプ(袋ナット)は、ロングタイプのハブボルトに合わせると底付きして締め込めないことがある。そのため、チューンドの場合は貫通ナットを選ぶのが一般的だ。軽量を謳うカーラードアルミボルトも人気だが、脱着が多かったり、強すぎるトルクで締めつけるとナメやすいので、管理能力の低い入門者にはオススメしない。

さらに、交換作業時にはボルトの締めつけトルクは規定値を遵守したい。締めつけトルクはM12のハブボルトの車両の場合、10〜12kgm程度(50cmのレンチに20kgの重さをかけた程度のトルク)となっている。ちなみに、ホイールナットは締めつけ不足で緩むことも危険だが、実は緩みを心配して締めすぎるという初心者が意外と多い。クロスレンチに体重を思い切りかけれねじ込むと、ハブボルトが伸びてたり折れたりすることもあるので、締めすぎも注意して欲しい。地味ながら大事な役割を担っているホイールナット、慎重に確実に取り扱うことを心がけてもらいたい。